完治はしない病気ですが、回復はします。

 

 強迫的買い物・浪費・借金依存症は病気です。私たちは、それが治らない病気であることを知りました。時間が進むとともに悪化する進行性の疾患ですが、その進行を止めることはできます。

 

 DAに来る前、多くの強迫的買い物・浪費・借金依存症者は自分のことを無責任な人間だとか、意志の弱い人間だとか、あるいは出来の悪い人間だと思っていました。DAの考えでは強迫的買い物・浪費・借金依存症者は重い病にかかった人間であり、それぞれが本気で簡単なプログラムに従えば回復する病気であることを、他の同様な問題をかかえた人たちが証明しています。

 

 我々は衝動的に買い物・浪費をし、借金を背負い、罪悪感を感じ、もう二度としないと約束しました(次に欲しいと感じるまでは)。しかし、大散財をしても私たちは何も残すことはできず、すべてのお金はどこに消えたのかと悩みました。強迫的買い物・浪費・借金依存症者は実際には差し迫った負債を抱えていない者もいますが、しかし彼らもまたDAに来ることを歓迎されます。DAのメンバーになるのに必要なことはただひとつ、強迫的買い物・浪費・借金を止めたいという願いだけです。何人かは強迫的な貧困状態にあり、次々と経済的な破綻にあえぎ、さらに、買い物・浪費するお金がないことに気づくのです。

 

 この病気は、自分自身や周囲の世界の見方に影響を与えます。家庭でも仕事でも社会的地位でも、あるいは恋愛関係でさえ、自分が不十分であると感じるようになり、さらに私たちに十分な世界はないと信じるようになります。この病気は私たちが行った、あるいは見たことが不毛のものであるという感覚を作りました。これに対する反応で私たちは夢の世界に引き込まれ、金銭問題に悩み、責任を回避したのです。

 

 絶望の感覚、あるいは「底つき」はDAの中で私たちの回復の第一歩でした。私たちは買い物・浪費・借金を計画しコントロールする自分の行動が正常に働かないことを理解しました。私たちは、強迫的買い物・浪費・借金に関して無力であることを認め、助けを求める準備が出来ました。

 

認識(自覚)

 

 自分が強迫的買い物・浪費・借金依存症者だと認めるということは、私たちが強迫的買い物・浪費・借金をしてしまうことを避けるためにとても重要です。

 

 「認識」は、私たちの感情と、そして外からの刺激の両方を自覚する事から得られます。

 

 自分の感情を自覚するということは、強迫的買い物・浪費・借金をしてしまう原因を認めるという事です。12ステップを使い、DAの原理を理解すると、自分の強迫的買い物・浪費・借金を招く原因となる感情がわかるようになります。

 

 外からの刺激の認識とは、店舗や金融会社、その他私たちが捕らわれてしまうものが、広告などを通して、私たちの感情や感覚を刺激するためにどんな手段をも使うという現実を知る事です。私たちは、用心深くして出費計画にないことにお金を使わないようにしなければいけません。

 

展望

 

 DAの第一の目的は、強迫的買い物・浪費・借金をしないで生きることであり、他の仲間もそれを達成するように手助けするということです。そして、強迫的買い物・浪費・借金をしないことに加えて、私たちは、新しい未来と生活の質の向上を目指します。

 

 私たちは、新しい自由と新しい幸せを知るようになります。私たちは、過去を悔やむこともしないし、過去にふたをしようとも思いません。私たちは心の落ち着きというものを知るようになります。私たちがどんなに落ちぶれたとしても、自分の経験がどれほど他の人に役立つか分かるでしょう。自分は役立たずだという自己憐憫の感情は消えるでしょう。私たちは利己的なものに対する関心を失って、仲間に対する関心を持つようになります。身勝手さはなくなります。私たちの人生に対する態度と展望がすべて変わります。人間に対する恐怖や、経済的不安定もなくなります。私たちは、かつて私たちを困惑させた状況にも、直感的にどう対処したらいいのかが分かるようになります。私たちは、自分ではできなかったことを、神が私たちのためにやってくださっていることを突然理解します。

 

展望が何であるか、どのようにわかりますか?

 

 返答が最も難しい問題のうちの1つは、『私は、本当は何を望んでいるのか?』ということです。私たちはしなければならないことを忙しくこなし、自分が何をしたいのかを自分に問いかける余裕などありません。そして、私たちは本当に欲しいものと、必要なものとを区別する方法がわからないものです。

 

 DAで、自分の展望を発見する方法はいろいろあります。まず最初に、私たちは、強迫的買い物・浪費・借金を自覚し、やめなければなりません。次に、私たちは12のステップを使い、神の意志が私たちをうごかすことを知らなければなりません。さらに、私たちは自分の展望をはっきりさせて、歩み続けるために、DAのツールを使用します。具体的には、以下の事項です。

 

・私たちのニーズ、考えと感情についてスポンサーと話をすること

・他の仲間の話を聞くことで経験や力や希望を共有すること

・ミーティングに行くこと

・行動計画に従うこと

・サービス活動をすること

 

何が展望を妨げますか?

 

 自己憐憫や自己批判が展望を妨げます。そういう行いは、憂うつ、怒り、心配、いらだち、動揺などの症状をもたらします。時には、私たちは可能性と展望を実現することを避けるようにして他人の問題に巻き込まれて行く事もあります。私たちが自分の夢に費やすエネルギーは徐々にしぼりとられ、なぜ自分は目的もなく、イライラしているのかと悩む事になります。そして、空虚さを埋める唯一の方法がお金を使うということだという、浪費的な考えが私たちを支配してしまう危険に常にさらされます。私たちの展望とハイヤーパワーの力を無視することは、恐れを増やし、私たちの古い考えを押し通すことになります。

 

なぜ支出プランが必要ですか?

 

 たとえどんな状況が私たちをDAに導いたとしても、私たち全員が共通の症状を持っています。それは「曖昧さ」です。強迫的買い物・浪費・借金依存症者は、生活の必要経費を支払う前に、資金を他のところで使ってしまいます。私たちがお金で得る快感は、時には命を落とすにもなりかねません。支出計画は、必要経費がどのくらいかかるかを見ることによって、曖昧さを計画的なものに取り替えるのを助けます。したがって、計画された出費は、私たち自身が生活するための手段になります。こうなれば、支出はもう私たちが責任や感情から逃げる方法ではありません。

 

 また、支出計画には、本当に生活に必要なものだけでなく、本当に欲しいもの、つまり、これまでは、クレジットカードや、返す当てのいない借金でしか手に入れることができないと考えていたものも含む事ができます。

 

 私たちの多くは、負債を抱えてDAに来ます。しかしやがて支出計画によって自分の必要経費を使い込まないで、的確なお金の処理をし、負債を返済することができるようになります。

 

強迫的買い物・浪費・借金の願望が出た時は

 

・仲間に連絡してください

・スポンサーに話してください

・ミーティングに行ってください

・DAの文献を読んでください

・DAの12ステップを使ってください

 

 私たちが他のDAメンバーとつながっているとき、私たちは回復に向かって一人ではないということを知ります。それに加え、私たちは強迫的買い物・浪費・借金を止めておくために、ハイヤーパワーに救いを求め、強迫的買い物・浪費・借金をしないという決意を維持します。